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キトサンの「ダイエット効果」の正当性を検証する
キチン・キトサン
主成分:キチン・キトサン
○効能:?
×副作用:大きな副作用はない
サプリで摂取しても吸収されない(水溶性キトサンは、吸収される)
カニの甲羅の成分
体内組織との相性がよく、外科手術の際の縫合糸ややけどの治療に使われる。
人工皮膚の材料にもなる。
何やらこむずかしい物質のようだが、「キチン・キトサン」のこと。
キチン・キトサンは、最近の売れ筋サプリである。
「ダイエットに効く」「コレステロール値を低下させる」「高脂肪・低繊維の食生活の改善に役立つ」「生活習慣病の予防効果がある」「免疫力を高め、かぜにかかりにくくし、がんの予防になる」「血庄に効果」「リウマチや自律神経失調症に効果」
などなど。
目につく宣伝文句を並べてみたが、本当だろうか。
キチン・キトサンの成分は、エビ、ロブスター、カニ、イカ、エイの軟骨などの殻や甲羅に多く含まれている「ムコ多糖類」である。
ムコ多糖類というのは、糖の水酸基(−OH)の1個がアミノ基(−NH2)で置き換えられた「アミノ糖」が長くつながったもの。
その代表は、キチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリンなどである。
アミノ糖についたアミノ基の窒素には、酢酸の単位であるアセチル基が乗っている。
言い換えると、キチンは「N−アセチルグルコサミン」という単位をたくさんつないだものだ。
このキチンを濃いアルカリ溶液でぐつぐつ煮ると、アセチル基が取り除かれ、「グルコサミン」の長くつながったキトサンが得られる。
しかし、いくらアルカリ溶液で煮ても、すべてのアセチル基が除去されるわけではない。
だから、アセチル基が80パーセント以上取り除かれていれば、サプリ業界では「キトサン」と呼んでいる。
サプリのキトサンには必ずキチンが含まれているので、「キチン・キトサン」と並べて呼ばれることが多い。
動物性の食物繊維
ヒトが消化できない多糖類のことを「食物繊維(ファイバー)」と呼んでいるが、これには植物性と動物性がある。
植物性食物繊維には、アズキ、ダイズ、キャベツなどに含まれるセルロースや、リンゴに豊富なペクチンがある。
そしてキチン・キトサンこそは動物性食物繊維の代表である。
食物繊維の豊富な食物を食べると、便秘が解消されて、コレステロール値が低下することがわかっている。
キチン・キトサンも食物繊維の一種だから、この効果を期待する向きもある。
多くのサプリ会社は、キトサンが体内で脂肪を吸着し、体外に放出してくれるので、脂肪が体内に吸収されず、体重が減ると盛んに主張する。
以下で、このキトサンの「ダイエット効果」の正当性を検証していこう。
否定されたダイエット効果
規模が小さく予備的な研究成果としては「キトサンにダイエット効果あり」とする報告がある一方、はるかに規模の大きく、よく設計された治験によって、この効果はきっちりと否定されているのだ。
2004年、ニュージーランドにあるオークランド大学臨床研究所のマーチュー教授は、ランダム化、二重盲検試験によって、キトサンには偽薬に比べて体重を減少させる効果はないと「国際肥満雑誌」に発表した。
対象となった被験者は肥満の男女250人で、平均年齢は48歳。
平均BMI(体格指数。体重=キログラムを身長=メートルの2乗で割った値)は35.5で、全被験者の82パーセントは女性。
被験者を125人ずつ、1日3グラムのキトサンを24週間摂取するグループと、偽薬を同じ期間摂取するグループの2つに分けた。
24週間後に、こんな結果が出た。
被験者の体重とコレステロール値を、2つのグループで比べたが、違いはまったく見られなかった。
すなわち、キトサンには体重を減少させる効果はない。
ほかの研究からも、キトサンのダイエット効果はしっかり否定されている。
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