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日米欧で大人気のサプリ「カルニチン」
カルニチン
主成分:カルニチン
○効能:コレステロール値、中性脂肪値を下げる、心臓のリズムを整える
×副作用:吐き気、下痢
特に報告されていない
女性を中心としたダイエットブームが、中高年男性にも飛び火し、ダイエット食品が売れに売れている。
そんななか、「運動能力を高めて脂肪を燃やし、効率的に痩せられる」と話題なのが「カルニチン」だ。
カルニチンはアミノ酸の一種だが、ヒトの体内に常に存在する。
ビタミンCの助けによってリジンとメチオニンの両アミノ酸からつくられるから、食事から必ず摂取しなければならない必須アミノ酸ではない。
しかし、カルニチンはすべての筋肉にエネルギーを供給する大役を担っていることも事実だ。
カルニチンはおもに肝臓や腎臓でつくられ、筋肉を動かす骨格筋や、血液を全身に送るために動きつづける心臓の筋肉に移動する。
どちらもエネルギーを大量に消費する箇所である。
アメリカの医師がたえず参照するPDR(Physician's Desk Reerenceの略)と呼ばれる卓上参考書には、カルニチンのサプリが虚血性心疾患(心臓が酸素不足になるために起こる病気で、狭心症や心筋梗塞がその代表)や高脂血症(異常に高いコレステロールや中性脂肪)に有効であると記載されている。
カルニチン不足は、肝臓のはたらきが弱ったり腎臓透析を受けている患者、食欲不振のせいで筋肉が弱まっている人にしばしば見られる。
通常、アミノ酸といえばタンパク質を構成する要素であるが、カルニチンはタンパク質の構成要素にはなっていないし、伝達物質でもない。
カルニチンの役割は、細胞によるエネルギー生産の効率を高めることだ。
細胞内の発電所であるミトコンドリアに、燃料となる脂肪酸を運んでくるのである。
この脂肪酸がミトコンドリア内で酸素によって燃焼され、大量のATPがつくられる。
だから、カルニチンは脂肪燃焼に欠かせない栄養素である。
そのはたらきぶりが、いかにもダイエットに効きそうなため、「カルニチン神話」の基になっている。
カルニチンが脂肪酸の燃焼サイクルの一部を担っていることから、「脂肪を減らす」「エネルギー生産に関与して運動能力が向上する」といった仮説が提唱されたわけだ。
たしかに一理はある。
日本はもとより、欧米でも「ダイエットサプリのエース」と位置づけられているのはそのためだろう。
ダイエット効果はまやかしだった!
だが、肝心の検証がなされていなかった。
本来、これでは効能をうたうことはできないにもかかわらず、大宣伝して大儲けしてきたのが、サプリ業界の特徴でもある。
では、カルニチンのダイエット効果は本当なのか。
この検証をしたのが、オーストラリアにあるメルボルン研究所のビリアニ博士だ。
更年期以前のやや過体重の女性36人を対象に、カルニチンの「痩せ効果」をランダム化、二重盲検試験で治験した結果が、2000年に雑誌「栄養と運動代謝」に掲載されている。
まず、36人は、BMI(体格指数。体重=キログラムを身長=メートルの2乗で割った値)がマッチするように18人ずつ2つのグループに分けられた。
最初のグループは、カルニチンを1回2グラムで1日2回摂取する。
2つめのグループは偽薬(プラシーボ)の乳糖を同じだけ摂取する。
どちらも1日30分の歩行(最大心拍数の60〜70パーセントになる速度)を週に4回、8週間つづけた。
個人の最大心拍数(回/分)は、220からその人の年齢を差し引くと得られるため、50歳の人の最大心拍数は1分間に170回となる。
結果はこうだった。
この治験の前後で両グループの体重、脂肪量、脂肪代謝を比較したところ、両者に違いは見られなかった。
肝心の基礎代謝も、治験後にすべての被験者で大幅に増えていたものの、両グループの比較では変化はまったく見られなかった。
また、カルニチンのグループは吐き気や下痢のために5人が治験を途中で脱落したが、偽薬グループの脱落者は3人だけだった。
結論はこうなる。
8週間のカルニチン摂取プラス歩行は、過体重の女性の体重や脂肪量を変えることはなかった。
したがって、カルニチンの「ダイエット効果」はまやかしというほかない。
体重を落とそうとカルニチンをサプリから摂ることはナンセンスなのである。
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